「好きな野菜を選ぶ」を実現した、野菜CHOICE開発秘話
この度、実季楽農園では新しい販売メニュー「野菜CHOICE」をスタートしました。
これは、単純に「野菜を選べるようにした」というだけの取り組みではありません。
これまでの販売方法を見直し、「農園が売りたいものを届ける」のではなく、「お客様が欲しいものを選べる」販売モデルへ変えていく。
その考えから生まれたのが、「野菜CHOICE」です。
今回は、この新しい仕組みが生まれた背景を少しお話しします。
これまでの実季楽農園
これまで実季楽農園では、一部の単品販売と野菜セットを中心に販売してきました。
これは実季楽農園に限ったことではなく、多くの農園で採用されている一般的な販売方法です。
収穫できる野菜を整理し、単品商品としてECサイトへ登録し、お客様へ案内する。
一見すると、シンプルな仕組みです。
しかし、実際に運営してみると、そこには一つの課題がありました。
「販売できる野菜」と「お客様が選びたい野菜」が、必ずしも一致していない。
実季楽農園では、多品種の野菜を育てています。
だからこそ、せっかく多くの種類を育てているのに、販売時には売れ筋の商品や、情報公開が間に合った野菜が中心になってしまう。この状態に、少しずつ違和感を持つようになりました。
「本当に、この販売方法でいいのか?」
小さな農園では、収穫、選別、梱包、配送、そしてECサイトへの情報登録まで、限られた人数で行う必要があります。そのため、収穫前にすべての野菜を商品として登録し、リアルタイムで販売することは簡単ではありません。
結果として、どうしても「販売しやすい野菜」「需要の高い野菜」が中心になります。しかし、そこで一度立ち止まって考えました。
売れ筋の商品を揃えることが、本当にお客様にとって最適なのだろうか。
実季楽農園には、90種類以上の野菜があります。季節に応じて小回りが利く、のが特徴です。
それならば、
「今日はこの野菜が食べたい」
「この野菜は好きだけど、これは苦手」
「いつものセットではなく、自分で組み合わせたい」
そんなお客様の選択そのものを、販売の中心にできないだろうか。
この問いが、「野菜CHOICE」の出発点でした。
「農園都合」から「お客様起点」へ
今回、私たちが目指したのは、単品商品を増やすことではありません。
販売の考え方そのものを変えることです。
これまでは、
「今、収穫できる野菜を農園側で整理して販売する」
という考え方でした。
それを、
「その時期に収穫できる野菜の中から、お客様自身が選ぶ」
という仕組みに変える。
つまり、「野菜を売る」のではなく、「選ぶ体験」まで含めて提供するという発想です。
これが「野菜CHOICE」の基本的な考え方です。
実現には「運用」と「DX」が必要だった
もちろん、考え方だけでは実現できません。
毎週変化する野菜の種類、収穫量、販売可能数量などを、できるだけ正確かつスムーズに共有する必要があります。
そのため、代表の長崎を中心に、メンバー間の情報共有方法を整理し、DX化を進めました。
さらにECサイト側のシステムも改修。
農園側の情報更新と、お客様が見る販売ページを連動させながら、実際の運用に耐えられる仕組みを構築しました。
つまり、「野菜CHOICE」は、ECサイトに新しい商品を一つ追加しただけではありません。
農園内の情報管理、販売オペレーション、ECシステムを一体として見直したプロジェクトでもあります。
試行錯誤を重ねながら、ようやく形になったのが「野菜CHOICE」です。
「選べる野菜」は、実季楽農園だからこそできる
開発にあたり、リリース前に大手ECサイトなども調査しました。
「野菜を選べる」というサービス自体は、決して珍しいものではありません。
ただ、
その時期に収穫できる野菜を、毎週更新しながら、お客様自身が選んで購入できる。
そんな仕組みは、私たちが調べた範囲では見つけることができませんでした。
もちろん、「業界初」と断言するつもりはありません。
ただ、だからこそ私たちは、
「これは実季楽農園が挑戦する価値があるのではないか」
と考えました。
なぜなら、実季楽農園の強みは「大量に同じ野菜を作ること」ではなく、多品種を少量ずつ育てていることにあるからです。多くの種類を育てているからこそ、「選べる」という仕組みとの相性が良い。
野菜CHOICEは、新しい販売方法であると同時に、実季楽農園の強みを販売モデルに変換する取り組みでもあります。
システムだけでは成立しない
そして、今回改めて感じたことがあります。
「野菜CHOICE」は、システムを作れば完成するものではありません。
毎週、どの野菜が収穫できるのか。
どれくらい販売できるのか。
情報をどう共有するのか。
その情報を、いつ、誰が更新するのか。
こうした一つひとつの運用が噛み合って、初めてお客様に「選んでいただける」サービスになります。
だからこそ、今回の仕組みは、実季楽農園のメンバーが同じ方向を向き、情報を共有しながら作り上げたものです。
野菜CHOICEは、システムの成果であると同時に、チームの成果でもあります。
新しい「実季楽農園モデル」へ
正直なところ、これからどのような反応をいただけるのかは、まだ分かりません。
新しい仕組みだからこそ、運用上の課題も出てくると思います。
それでも、今回の取り組みには大きな意味があると考えています。
これまでの農産物販売は、
「農園が作ったものを、お客様に届ける」
という形が中心でした。
実季楽農園は、そこにもう一つの選択肢を加えたい。
「その時期にあるものの中から、お客様自身が選び、自分だけの野菜セットをつくる。」
そんな関係をつくっていきたいと思っています。
「この野菜が食べたい。」
「これは苦手だけど、これは食べたい。」
「今週は、この組み合わせにしてみよう。」
そんな一人ひとりの選択に、実季楽農園が応えていく。
それが「野菜CHOICE」です。
これは、一つの新商品ではありません。
実季楽農園が次のステージへ進むための、新しい販売モデルの第一歩。
まずは、この仕組みを一人でも多くのお客様に知っていただき、実際に使っていただくことから始めます。
そして、お客様の声を聞きながら、さらに改善していく。
「つくる農業」から、「選ばれる農業」へ。
実季楽農園は、これからも農業と販売の新しい形に挑戦していきます。




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